メッセージ
学長メッセージ
皆さん、ようこそ教育テック大学院へ。
私たちの大学院は、幼児教育から初等中等教育、高等教育、社会人教育、生涯学習のあらゆる教育に関連する現場での問題解決や意思決定にあたる人材を育成する専門職大学院大学です。ICTを活用することで従来の教育を大きく変革する可能性を持っています。そのような教育の未来を切り拓くために、私たちは、マネジメントから現場まで様々な立場で関わる皆さんが必要とする能力と知識を、自ら獲得できる力を育むことを目指しています。
この大学院は専門職大学院であり、通常の大学院で行われる修士論文の執筆に代わり、ここでは「教育構想実践書」を作成します。この「教育構想実践書」は、自身の現場に合わせて教育の経営面での現状改善やITのDXを実現などの問題を解決するための、現実的かつ実践的な事業計画書です。この教育に関する様々な課題や問題を解決できるスキルを持つ人材を育てることが、私たちの目標です。
そのために、教育学に加えて、情報科学や経営学的な観点の知識をベースして問題を定義し、その解決に必要な情報収集を行い、具体的な計画を策定できる知識と技能を身に着けていただきます。特に、ICTを活用することで、従来の教育を大きく変革できることが明らかになってきました。一方では、少子化対策、インクルーシブな教育への対応など、リスキリングなどの学びなおしなど教育に求められるニーズが多様化しています。これらを背景とする教育の未来を切り拓くために、マネジメントから現場まで様々な立場で関わる皆さんが必要とする能力と知識を、自ら獲得できる力を育むことを目指しています。
私のバックグラウンドは情報科学で、特にヒューマンコンピュータインタラクションやバーチャルリアリティ、エクステンドリアリティ(MR、AR)など、コンピュータ技術をどのように使いやすくし、また教育やトレーニングに役立てるかを研究してきました。2001年からは大阪大学で全学のICTを活用した教育システムの運用に携わり、当時のパソコン教室での学びから、学習支援システム(Learning Management System)を用いたICTを活用した教育へと進化させ、さらに講義映像の収録やパンデミックの時期においては双方向ビデオ会議システムを用いたオンライン講義、あるいはオンデマンド型の講義、さらにはそれらを組み合わせるハイブリットやハイフレックスの講義環境を整備してきました。
現在、日本の小中高では「GIGAスクール構想」により一人一台端末が配布されていますが、これはまだハードウェアの普及に過ぎず、真のDX(デジタルトランスフォーメーション)には至っていません。端末を使って教育そのものを変革するために必要な知識や技術も、私たちの大学院で身に付けていただきたいと考えています。また、このような最先端の分野において、ただ知識を習得するだけでなく、そこから自らの発想を活かして新しい価値を見出すことができる学生を育てていきたいと思っています。
皆さんと共に、教育の未来を切り拓いていけることを楽しみにしています。
学長