教員紹介

教授
大和田 順子オオワダ ジュンコ
  • 専門分野
    事業構想学、環境創成学(環境政策・環境社会システム)観光学(地域振興)、社会・開発農学(都市農村交流)
  • 主な担当科目
    ソーシャルアントレプレナーシップ論
    持続可能な開発のための教育
    教育テック総論
    教育構想演習(I)
    教育構想演習(II)
    教育構想研究(I)
    教育構想研究(II)
  • 略歴
    <職歴>
    2024年4月 - 現在 OCC教育テック総合研究所 上級研究員
    2017年4月 - 現在 地域力創造アドバイザー(総務省)、2024年3月から和歌山県みなべ町を支援
    2012年6月 - 2017年7月 特定非営利活動法人 女性の活力を社会の活力に(JKSK) 理事(2012年6月~15年5月)、理事長(2015年6月~2017年5月)
    2006年7月 - 2020年3月 一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンス(LBA) 共同代表
    2000年12月 - 2002年8月 ㈱イーススクエア マーケティングディレクター
    1993年12月 - 2000年11月 ㈱イオンフォレスト (ザ・ボディショップ)、 コミュニケーション部長、販売促進部長
    1992年4月 - 1993年11月 ㈱東急百貨店 マーケティング部
    1988年4月 - 1992年3月 ㈱東急総合研究所  生活行動研究室 研究員
    1982年4月 - 1988年3月 ㈱東急百貨店 営業企画部
    <教育歴>
    2021年4月 - 2024年3月 同志社大学 政策学部・総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコース 教授
    2022年4月 - 現在 同志社女子大学  兼任講師
    2023年4月 - 現在  池坊短期大学 兼任講師
    2009年4月 - 現在 立教大学 立教セカンドステージ大学 兼任講師
    2017年4月 - 2020年3月 静岡文化芸術大学 文化政策学部 兼任講師
    2010年4月 - 2020年3月 立教大学 21世紀社会デザイン研究科 兼任講師
    <その他>
    2024年4月 – 現在 同志社大学 人文科学研究所 嘱託研究員
    2023年4月 – 現在  立命館大学日本バイオ炭研究センター 客員研究員
    2020年4月 - 現在 一般財団法人 日本水土総合研究所 理事
    2017年4月 – 現在 早稲田大学 招聘研究員
    <受賞歴>
    2024年6月 2023年度日本環境共生学会学術大会口頭発表 優秀発表賞(個人の部)、 「世界農業遺産のSDGsへの貢献ー「SDGsアグリヘリテージ・フレームワーク」手法の開発と適用ー」、 日本環境共生学会
    2022年1月 令和3年 ふるさとづくり大賞、 個人部門 総務大臣表彰、 総務省 大和田順子
    2014年2月第 15回計画賞 最優秀賞、 計画名「生きもの共生型農業を核とした持続可能な地域づくり-蕪栗沼・ふゆみずたんぼプロジェクト-」、 計画行政学会  宮城県大崎市、 大和田順子共同応募
  • 所属学会・団体等
    日本ソーシャル・イノベーション学会 理事、地域活性学会 理事、国際P2M学会 評議員、農村計画学会 評議員、日本環境共生学会
  • 実務・研究上の業績(主な著書・論文)
     『コミュニティデザイン新論』(共著、2024年、さいはて社)、『SDGsを活かす地域づくり』(共著、2022年、晃洋書房)、『新コモンズ論: 幸せなコミュニティをつくる八つの実践』(共著、2016年、中央大学出版部)、『アグリ・コミュニティビジネス: 農山村力×交流力でつむぐ幸せな社会』(単著、2011年、学芸出版社)、『ロハスビジネス』(共著、2008年、朝日新書)
    教材:『大崎耕土SDGsクエスト
       『竹林SDGsグリーン・コモンズハンドブック
  • 公職(政府委員等)
    長野県環境審議会委員(2017年4月~現在)、農林水産省・バイオマス活用推進専門家会議(2021年度)、農林水産省・世界農業遺産等専門家会議(2014年~2020年)、科学技術振興機構 社会技術開発センター・「持続可能な多世代共創社会のデザイン」領域アドバイザー(2014年~2020年)
  • メッセージ
    「トランスフォーマティブ・コンピテンシー」を育む
    あなたはどのような未来を創りたいですか? どのような社会課題を解決したいですか?
    私はこれまで事業会社、研究機関、NPOなどで、アメリカやイギリス、国内の社会企業家や非営利組織の方たちと環境問題を中心に社会課題の解決に取り組んできました。2010年頃からは農山漁村や伝統的な農林漁業の素晴らしさを知り、近年は農林漁業者や自治体の方たちと主に「世界農業遺産」(FAO)認定地域の活性化および研究・教育を行ってきました。
    2024年3月まで3年間、同志社大学で専任教員を務めました。総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコースでは、社会人大学院生の皆さんと農山村の活性化、竹林SDGs、農山村での大学生の新しい学びなどをテーマに実践と研究に取り組みました。政策学部では「SDGs時代のサステナブルな地域づくり」という授業を通じ、都市部・農山漁村部でフィールドワークを行うとともに、課題解決策の企画づくりを行いました。そして、4月からは地域力創造アドバイザー(総務省)として、和歌山県みなべ町に通っています。国が2018年から実施している「SDGs未来都市」による地方創生を支援しています。ここでは、学習する組織を創ろうと「みなべ梅ラーニングコモンズ」と称する学びの場を設定し、町民(地元の高校生も)、役場職員、町外の応援団、専門家が共に町の課題解決策を立案実践する「地域共創プログラム」を実施しています。
    これらのプロジェクトのベースにしているのは「OECDラーニング・コンパス2030」の考え方です。2030 年の教育に求められている未来像を描いた、進化し続ける学習の枠組みである「OECD ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)2030」は、「OECD Future of Education and Skills 2030 プロジェクト」により2019年に開発されたものです(図)。学びの主体者をステューデント・エージェンシーと呼び、共同学習者として共同エージェンシーを配置しています。2030年のゴールはウェルビーイング(Well-Being)です。仕事、収入、住宅のような経済的要因に加え、ワーク・ライフ・バランスや教育、安全、生活の満足度、健康、市民活動、環境やコミュニティのような生活の質(Quality of life)に影響を与える要因も含まれています。学習のプロセスで最も重要なのは「トランスフォーマティブ・コンピテンシー」と呼ばれている能力です。それは、より良い未来の創造に向けた変革を起こす行動特性であり、新たな価値を創造する力、対立やジレンマに対処する力、責任ある行動をする力を育む能力です。

    筆者が担当する演習等や授業においても、この「OECD ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)2030」をベースに、ロジックモデルやプロジェクト・プログラムマネジメントの手法などを活用し、社会課題の解決を担う人材に欠かせないトランスフォーマティブ・コンピテンシーを育む教育プログラムの立案を、皆さんと共に様々な現場(フィールド)で試行しつつ開発・実践していきたいと考えています。
    「You can make a difference!世の中を変えるのは、私たち一人ひとり」。この言葉はイギリスの自然化粧品ブランドTHE BODY SHOPを創業した社会起業家アニータ・ロディックの言葉で、私の座右の銘でもあります。教育とDXを活かし、持続可能な社会の実現をイノベーションしてまいりましょう。